緊迫の東アジア情勢と揺れる永田町――元参院議員・白眞勲が放つ「外交リアリズムと安保の死角」
白 眞 勲という言論人・元政治家の視座が、2026年を迎えた今、再び各方面から熱い視線を浴びている。激変する国際秩序、とりわけ朝鮮半島や台湾海峡を巡る緊張が新たな局面へ突入するなか、安全保障と外交の最前線で論陣を張ってきた彼の発言力は衰えを知らない。参議院議員として3期18年のキャリアを刻み、朝鮮日報日本支社長としてのジャーナリズムの現場を熟知する同氏の語り口には、単なる政局批判にとどまらない骨太なリアリズムが宿る。
軍備拡張と抑止力の強化ばかりが叫ばれる昨今の論調に対し、独自のパイプを持つ白 眞 勲は常に「対話のチャンネルと情報戦の重要性」を問い続けてきた。防衛政策の現場で何が起きているのか。隣国の政権中枢は何を計算しているのか。表面的なニュースの裏にある国家間の腹の探り合いを解き明かすその慧眼は、与野党の枠を超え、政策ブレーンやメディア関係者の間で今なお強い存在感を放っている。
激変する2026年東アジア情勢と「半島リスク」の本質

東アジアのパワーバランスは、かつてないスピードで塗り替えられつつある。米国の内向き志向と中国の海洋進出、そして核・ミサイル能力を急伸させる北朝鮮の動向は、日本の安全保障環境に直接の脅威を突きつける。
だが、危機を煽るだけの議論に意味はない。相手国の国内政治力学、軍部と指導部の思惑、経済的な損益計算を冷静に見通さなければ、的確な抑止も対話も成り立たない。机上の空論ではなく、リアルな外交カードをどう切るか。現場の息遣いを知る視線が、かつてなく求められている。
メディア出身者ならではの独自人脈と永田町のリアル

議員バッジを外して以降も、テレビや論壇における切れ味鋭い解説は健在だ。長年培った韓国政財界や米国関係筋との独自ネットワークは、霞が関の官僚組織すら時に凌駕する速度で情報を捉える。
「外交とは相手の靴を履いて考える作業だ」。かつて国会審議で放った言葉の通り、相手国の妥協点と限界ラインを正確にプロファイリングする能力において、右に出る者は少ない。永田町特有の形式主義を嫌い、実質的な国益を追求するスタンスは、時に党内外で波紋を広げながらも確固たる評価を確立してきた。
日韓シャトル外交の定着と、その先にある構造的課題

首脳間の往来が恒例化し、改善基調にあるとされる日韓関係。しかし、歴史問題や国民感情の火種が完全に消えたわけではない。政権交代ひとつで関係が揺らぎかねない脆さを、両国は常に内包している。
経済安全保障やサプライチェーンの再構築において、日韓の協調はもはや選択肢ではなく死活問題だ。目先の世論に迎合せず、10年後、20年後の共通利益を見据えた制度設計ができるか。両国の橋渡し役として苦杯を舐め、同時に成果を上げてきた経験から導き出される提言は、極めて現実的で重い。
防衛力増強論議の死角――「インテリジェンス」と対話の欠落
防衛予算の倍増方針が進む日本だが、装備品の調達だけに目を奪われてはいないか。どれほど高度なスタンドオフミサイルを配備しようとも、それを運用するインテリジェンスと、偶発的衝突を防ぐホットラインが機能しなければ抑止は完成しない。
有事のシミュレーションにおいて最も軽視されがちなのは、外交による危機回避のプロセスだ。撃ち合う前の段階でいかに相手の意図を挫き、外交的妥協へと追い込むか。参議院外交防衛委員長を務めたキャリアが示すのは、武力と外交は対立概念ではなく、相互に補完し合う表裏一体のツールであるという冷徹な事実である。
野党ブロックの外交ビジョン不在をどう打破するか
混迷を極める政界において、野党勢力がいまだ「政権担当能力」への信認を得きれない最大の要因は、外交・安全保障政策の一貫性の欠如にある。反対のための反対に終始する旧態依然とした姿勢では、主権者の不安を払拭することはできない。
現実的な日米同盟の堅持を前提としつつ、アジア諸国との多国間協調をどう主導していくのか。イデオロギーから脱却したプラグマティックな外交構想を描けるリーダーの育成が、野党再生の絶対条件となっている。かつて党内きっての現実派として汗をかいた足跡は、迷走する後進たちにとっての道標でもある。
次世代日本の針路:多文化共生と安全保障の交差点
人口急減に歯止めがかからない日本列島において、外国人材の受け入れと多文化共生は避けて通れない国家課題だ。だが、これを通商や労働力不足の文脈だけで語るのは早計に過ぎる。
治安維持、地域社会の統合、そして国境管理を含めた総合的な安全保障の一環として捉え直す視座が不可欠だ。多様性を受け入れながらも、国の主権と安全をいかに両立させるか。出自や国境の壁を越えて政治の第一線で闘い抜いてきた軌跡は、国のかたちそのものが問われる2026年の日本に、重厚な示唆を与え続けている。 (出典: 白 眞 勲(Yahoo!ニュース))